地図のあれこれ
1995年にけやき出版から出た『地図ざんまい・しますか』の改題・文庫化。
地図愛好家・鉄道ファンとして著名な今尾氏が、廃線跡を歩いたり、地図記号を国ごとに比較したり、地名の由来を探求したりする本。
なんといっても膨大な知識が凄い。なかでも外国の地図についての造詣の深さは尋常ではない。一日中、地図を眺めていて飽きないタイプの人なのだろう。また、気にかかったことはとことこんまで調べるようで、読んでいて圧倒されるようだ。
本書で印象に残るのは大字・小字の話。似たようなのがあったり、いまでは消えてしまったりと複雑怪奇な世界なのだが、そこを解き明かしていくのが面白い。
地図を眺めるのって面白いですよね。
昔から地図を眺めるのが好きだったのでこの本を購入しました。読んでいるうちに、やっぱりはまってしまったという感じです。トリヴィア的な知識で、何かに直接役立つわけでもないのですが、でも「ヘェ〜」っと言ってしまう、あるいは言わせてしまう著者の筆運びには参りました。私はずぶの素人なので専門的なことをぐだぐだ言わない文章に好感をもてたというのが率直な感想です。3分の1が廃線紀行や街道紀行、また3分の1が地図記号のあれこれ、残りの3分の1が地名に関することなどです。特に東京の武蔵野・多摩地域についての記述は、身近なだけに面白かったです。鉄道、地名、地理、地形、紀行文などに興味のある方は、多分読めば「ヘェ〜」だと思います。
地図を楽しむ中・上級編
地図をいろいろなやり方で楽しんでいる方は結構多い。基礎的な知識と経験をお持ちの方は、この本で、さらに地図の奥深さを体験し、実地でレベルアップが可能です。少々「オタク」ッぽい内容・知識も披瀝されますが、そのあたりに関心ない方は飛ばして読めば良いだけ。ちなみに、私の場合、地図を持って旅したり、時々地図を眺めては、行ってみたいなここの国、と楽しんでいる程度。そんな私には、第T部のいわば「地図を持って探し歩く旅の実践編」がおもしろかった。牛久沼のほとりに「〆切」を求める話は、その近くに住んでいることも与って、また歌志内線の廃路跡をたどる旅は、40数年前、その地に友人を訪ねた旅を思い出したなど全く私的な理由で、夢中になって読んだ。能美線跡の探索のしかたのユニークさ、そして第V部の読図演習編は、人工の山を読みとったり(そこに陵を加えるのはチョットこじつけ?)、消えゆく地名からわが国文化の行く末を思ったり、読図の楽しさを教えてくれる。外国の地図も多く引き合いに出され興味深いが、第W部の「地理院地図への批判・提案編」などでは比較対照例として見ることも。 しかし、私の知識・技能が高くないためか、特に第U部以下では、読んでいて理解できないところが時々あり消化不良気味。例えば、「日本の中の『アメリカ合衆国飛び地』・・・それにしても米軍住宅のこの余裕のスペース」と図の説明に書かれても、どれが米軍住宅かが私には読みとれなくて、せっかくのジョークに応えられない;大泉学園の飛び地がどの部分か結局理解できない;「ブラ行灯(あんどん)式時刻表」と書かれても私にはイメージがわかない;等々。でも、それらを割り引いても「地図を読む中・上級向け」と思って読めば教えられるところが多い本です。
著者の博識に感心はするが・・・
外国地図の記述に関し、やや事実の羅列に終始している傾向がある。もっと背景にまで入り込んだ論及が欲しい。また、一部は注も付加されているが、国によって現在の状況が変化している事項も多い。著者が示している日本の国土地理院の地形図改善案中、1:50000図の道路区分について、スイスの1990年台ころからの同縮尺図との対比は参考になると思われるが触れられていない。 文庫本の「解説」は「仲間褒め」として読めばそれ以上の詮索は無用だろう。
新潮社
地図の遊び方 (新潮OH!文庫) 地名の謎―その由来から日本がわかる! (新潮OH!文庫) 日本地図のたのしみ 住所と地名の大研究 (新潮選書) 消えた駅名―駅名改称の裏に隠された謎と秘密
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