マハティールのジレンマ―発展と混迷のマレーシア現代史 (Eyes to Asia)





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マハティールのジレンマ―発展と混迷のマレーシア現代史 (Eyes to Asia)
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過剰なマレーシアやマハティール首相に対する批判

この本で指摘されている通り、マレーシアではマハティール首相によりマレー系優遇政策を具体的に実施し、それがマレーシアの発展を阻害している部分があることは否定できない。また、著者がマレー系優遇政策の廃止を含めた縮小を求めていることも、ある程度は理解できる。しかし、今までのマハティール首相がいわゆる「開発独裁」という手法で経済発展を成し遂げたことが過小評価されており、先進国的な基準やエスニックマイノリティーの比率が低く、エスニックグループ間の軋轢があまりない国の感覚で、マレーシアを論じてはならないと思う。マレーシアの半島部では、国民を主に3つのカテゴリー(マレー系、中国系、インド系)に分けて統治するというかたちがとられており、それはマレーシア建国時に民主に承認されている。このシステムには、極めて問題点が多いと思うが、現実的にはこのシステムを段階的に変えていかなければ社会的混乱が生じる恐れがあり、その点はマハティール首相も分かっており、実行に移しているが、そのような考え方が筆者にはあまりないように感じられた。マハティール首相のアジア的価値観を取り上げて、反欧米的な意識を盛り上げようとする者、マハティール首相を過剰に批判する文化人や政治家が日本にはいるが、もう少し冷静にマハティール首相やマレーシアを見る必要がある。マハティール首相が欧米に対して強い主張をすることができるのは、国家的生存権を米国に握られていないという背景を考慮する必要があり、マハティール首相に「右に習え」で、日本が欧米に対して強い主張がでるはずがないことを認識すべきである。ただ、私は日本が、米国に国家的生存権が握られている現状を肯定するつもりは全くなく、仮に米国に依存しなくても日本が何とか生存することができるようにするべきだと考える。



中央公論新社
マハティール政権下のマレーシア―「イスラーム先進国」をめざした22年 (研究双書)
アジアから日本への伝言
アジア人と日本人―マハティールマレーシア首相との対話
立ち上がれ日本人 (新潮新書)





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